大学職員は国家の犬か

テレビで関根勤が、学生運動が激化したおかげで大学を卒業できた、と話していた。


私が通っていた大学にも革命的思想を持った集団がおり、彼らが教室を占拠して授業が中止になることがよくあった。
機動隊が出動して大変な騒ぎになったこともあった。


ある日のことだった。眠いのをガマンして英語の授業に出ていると、教師から単語の意味を問われたので、知らないと答えたところ、教師がキレた。
「貴様、やる気がないのか!なぜ予習してないのだ。しかも先週は休んでいたではないか!なぜ休んだのだ」
さてなんと答えたものかと思案していると、私の隣に座っていた男が口を開いた。
「そいういうことをみんなの前で追及するのはおかしいです。彼には彼なりの理由があって休んだのです」
「貴様、こいつの知り合いか?」
「いえ違います。汲み取る、ということですよ」と私の隣に座っていた男が言った。
教師は黙った。
隣の男は笑顔でこちらを見ていた。
とりあえず、助かった、と思ったので、軽く礼をしておいた。


あとでわかったのだが、隣の男は革命的思想を持った集団に属していたらしい。


しばらくして、革命的思想を持った集団の何人かが逮捕され、教室が占拠されることはなくなった。
彼らの思想がどういうものだったかよくわからないのだが、「天皇誕生日に学校が休みになるのはけしからん」と言っていたのが、印象に残っている。