カニとわたし

カニの季節、なのかしら。
駅でカニカニツアーのポスターを見かける。
カニといえばカニ味噌である。
カニ味噌を喰って日本酒を口に含むと、”んがが”とわけの分からない声を発してしまう。


カニを最後に本格的に食べたのは、不動産営業メンだったころ売り上げ目標達成の祝いで喰いに行ったのが最後のような気がする。
不動産営業メンはシラフでもお喋りで、酒が入るとうるさくて仕方ないのだが、その日は反省会のように静かだった。


学生のころある会社の慰安旅行に参加したことがあるのだが、それはカニカニツアーだった。
コンパニオンが2人に1人くらいついて、カニの殻をむいたり、身をだしてくれたり、レモンを絞ってくれたり、お酌をしてくれた。
これは楽でよかった。男たちは大変饒舌であった。


古い友人のキャタヤマはカニ嫌いであるが、会社の旅行がカニカニツアーだったことがあるらしい。
「Oh!あれは悲惨な体験だった」とキャタヤマは言う。
なぜカニが嫌いなのだ?問うと、
「だって、怖いんやもーん」
と若干カワイイ感じで答えた。
外見を重視しているようだ。