まぶしいね

暑い。祭りのような暑さだ。
暑いだけでなく、まぶしい。
外を歩くとまぶしくて目を開けていられない。
こういったときにはサングラスが必需品なのであるが、通勤のときにかけていたら変人扱いされて、つるし上げられるであろう。


高校一年生のときであった。
「将棋しないか」というクラい誘いをキッカケに友達になったキャタヤマと海に行った。
キャタヤマは田舎の高校生のくせにサングラスをかけてきた。
そして、「これは度が入っているのであり、一万円もしたのである」と自慢した。


しばらくして、近所のカー用品店でキャタヤマのサングラスと同じものが千円で売られているのを発見した。
千円を一万円という男。
以降、キャタヤマのしゃべることは全く信用されなくなった。


安物のサングラスをかけて、自転車で海まで来たキャタヤマの姿を思い出すとやるせない気持ちになる。


キャタヤマは近眼で、コンタクトレンズを持っていなかった。