短期集中連載小説:収入印紙を入手せよ

最終回「めまいのような」

吉岡が部屋に戻ると女はいなかった。 テーブルに、芋を潰してマヨネーズをたっぷりかけたものがおいてあった。 「ちんしてね。」と書かれた汚い紙がテーブルにおいてあった。 吉岡は嘔吐した。 吉岡は電子レンジを持っていないのだった。 吉岡はメガネをはず…

第三回「三角州にたたずんで」

吉岡はコンビニに来て、レジの前にある新聞を眺めていた。 ゼネコン何とかと大きく書かれていて、妹のパソコンを想起した。 何でもよいではないか、そんなにわるくないよ、といった感じの歌が頭の中に流れて、吉岡は牛乳を持って外に飛び出した。 「あれは誰…

第二回「紫陽花」

そこには女がいて、ジャガイモの皮をむいていたのだ。 吉岡には妻どころかセックスフレンドどころか普通の友達もいないので、これは見知らぬ女ということになる。 吉岡は驚きのあまり軽く失禁し、高三の春に母親に買ってもらったタケオキクチのトランクスが…

第一回

吉岡が目を覚ますと醤油さしが倒れてたたみが醤油色に染まっていた。 小便でもしようと立ち上がり何気なく小さなキッチンをみて吉岡は絶句した。 <続く>