通勤中は瞑想している

一週間ほど前、電車でよく見かける女性があまりにも気持ちよく眠っていために、いつも降りている駅を乗り過ごしてしまった。
「あのう、起きたほうがいいのでは?」
と言う勇気はなかった。
次の駅で目を覚ました彼女は平静を装っていたが明らかに動揺していた。


そしてこれは一昨日のことだ、よく見かける女性(上とは別人)が、目的の駅に着いたのに起きなかった。
その駅で私も降りるので、近くを通るときに、
「あのう、起きたほうがいいのでは?」
と言ってみたらどうなるかしら?と思ったが、
いきなりその女性はガバっと起き上がって何事もなかったかのように電車を降りた。


お前は通勤中に女を見ているのか?と思うかもしれないが、そんな事はない。
私は、通勤中激しいロックを聴きながら瞑想しているのだ。腰を振らないように注意しながら。
そんなことはどうでもよくて、上記のような場合、声をかけるべきかどうかということを問いたいのだ。
いや、問うまでもなく、声をかけるべきではない。
誰が言い出したのか知らないが、電車で知らない人に声をかけると恐ろしいことがおきるらしいのだ。
それはそうなのかもしれないが、人が失敗しようとしているのに何もしない、というのはやはり居心地がよろしくないのである。